私たちが普段、何気なく使用しているメールですが、ビジネスにおいてメールをマーケティングに活用する場面も多くみられます。
今回のテーマは「ステップメール」についてです。上手にステップメールを活用することで、大きなビジネスチャンスをつかむことができるかもしれません。このようなきっかけを作ることは、企業にとっても大きなメリットに繋がっていくことでしょう。
本記事では、ステップメールを活用した成功事例だけでなく、行動に結びつける例文の作り方,や構成の組み立て方、設計の手順、使えるソフトやツールなどについて解説していきます。
ステップメールとは?例文の作り方や設計の手順など解説!
まず、ステップメールとは何なのか理解しましょう。さらに、ここでは具体的な例文の作り方や設計の手順などについても解説していきます。
ステップメールとは?
ステップメールとは、商品の購入や会員登録、セミナーの申し込みなどの行動をとるユーザーに対して、事前に準備しておいたメールをスケジュールに従って配信していくマーケティング手法です。
ステップメールは自動返信メールやメルマガとは異なり、行動に対して自動的にターゲットへ特定の情報を伝えることができます。ステップメールにはメリットやデメリットがありますが、詳細については後述します。
業務上、マーケティングにあたって自動化したいと考えている方もいますよね。ステップメールを導入することで、メール配信が自動化され効率よく業務を遂行することができます。ステップメールの特徴を下記にまとめます。
- メールコンテンツの作成
- 配信スケジュールの事前準備
- 自動配信
ステップメールを理解するためのポイントとして、上記の3つが挙げられます。ここでは、ステップメールで配信するにあたり、事前に準備する必要があるということを覚えておきましょう。
ステップメールとメルマガとの違いは?
次に、ステップメールとメルマガの違いについてみていきましょう。ステップメールは、前述したとおり、適切なタイミングでユーザーが求める情報を配信していくという特徴がありました。一方で、メルマガは、最新の情報を多くの方々に届ける仕組みを持っています。
これだけだと少し分かりにくいですので、下表にステップメールとメルマガの違いについてまとめます。
ステップメールとメルマガの違いについて
|
ステップメール |
メルマガ |
取り扱う情報 |
事前に設定した情報 |
最新の情報 |
配信頻度 |
複数回 |
単発 |
ステップメールとメルマガの共通点は、メールを使ったマーケティング手法だということです。しかし、ユーザーへのアプローチ方法が異なりますので、違いについてしっかりと理解しておくことが大切です。
ステップメールのメリットとデメリットは?
それでは、ステップメールのメリットとデメリットについてみていきましょう。
ステップメールのメリットは?
ここでは、ステップメールのメリットについて解説していきます。
メリット① 顧客との信頼関係の構築
ステップメールは、複数回にわたりステップに応じた内容を伝えるという役割があります。そのため、ユーザーが求めている情報を獲得しやすいというメリットがあります。
同じ内容をステップごとに分けてみることで、ユーザーからの信頼関係を構築することができます。
メリット② 見込み客の新規獲得と育成ができる
ステップメールを配信すると、見込み客の新規獲得がしやすいです。世に知られているブランドなどであれば、知名度の高さから顧客獲得は苦ではありません。しかし、初めて目にする商品やブランドは、いかに興味を惹くことが成約に結びつけるポイントといえます。
そこで、ステップメールを活用すると、複数回にわたってその商品やサービスを紹介するため、興味を惹きやすく新規の見込み客を獲得しやすいです。
さらに、見込み客を育成して、問い合わせや売り上げの増加に繋げることができます。
メリット③ 業務の負荷を軽減してくれる
ステップメールを自動的に配信してくれるということは、手動で行う業務の負荷が軽減されるということです。あらかじめ設定しておいたタイミングで、事前に入力していた内容をメールで自動配信することができますが、そのためには事前に準備しておかなければなりません。このようなデメリットについては後述します。
また、メール配信にあたり、文字の入力ミスや送信漏れを防ぐことができるため、チェック体制の業務負荷を軽減することもできます。
メリット④ 適切なタイミングで情報を伝えることができる
ステップメールは、その名のとおり、ステップごとに分けて配信内容を変えながら、ユーザーが欲しい情報を伝えることができます。大まかなタイミングは次のとおりです。
- 商品やサービスを知る
- 具体的な内容や仕組み、料金などを知る
- 口コミやレビューについて知る
- 成約
ユーザーにとっては、欲しい情報がそのときに得られると申し込みたい気持ちになります。このような心理を上手く活用したマーケティング手法と言えます。
ステップメールのデメリットは?
次に、ステップメールのデメリットについて解説していきます。
デメリット① 構成の設計に時間がかかる
ステップメールでマーケティングを自動化させるためには、次のことを決めておかなければなりません。
- 配信するメールの構成と内容
- 配信スケジュール
- メールの順番
ステップメールを構築するということは、すでに、ユーザーに伝えたい情報が決まっていることでしょう。しかし、メールの構成を組み立てることは容易ではありませんよね。
事前に配信するメールの構成や内容は吟味して、さらに、配信スケジュールを明確にしておかなければなりません。また、メールの順番を指定して、成約に結びつけやすい順番で配信していくことが大切です。
デメリット② 配信するメールアドレスを収集しなければならない
そもそも、ステップメールは送信先が決まっていなければなりません。送信先のメールアドレスは確保しておく必要があります。
収集したメールアドレスを、顧客リストとしてまとめておけば、いざというときに役立つでしょう。
ステップメールを設計するための5つの手順は?
それでは、ステップメールを設計するための手順を5つのステップに分けてみていきましょう。
手順① ペルソナを設定する
ペルソナを設定するとは、想定する人物像や環境などを設定することです。例えば、ユーザーに何を伝えたいのか、そのユーザーはどのような特徴や性格をしているのかを明確にします。
そして、設定したペルソナに向けて情報を発信していくことで、最終的に成約を獲得することができます。つまり、ここでペルソナ(届けたいユーザー)を明確にしておかなければ、先に進むことはできません。
仮に、ペルソナが定まっていない場合は、取り扱う情報の方向性がズレてしまうことがあるため、注意しましょう。
手順② 目的を明確化する
手順①で設定したペルソナに向けて情報を発信していくときに、何を目的にしているのかを明確にしなければなりません。
例えば、商品の売買であればユーザーの購入が目的でしょうし、サービスの提供が目的であればユーザーの登録が最終的な目標となるでしょう。
このように、提供する情報に対して、何を目的にしているのかを明確化することで、結局何を伝えたいのか方向性を見出すことができます。
ちなみに、目的を明確にするということはユーザーの関心や興味などが影響しますが、届けたいユーザーの心理を動かすものでなければなりません。そのため、取り扱う情報の内容も目的に沿ったものでなければなりません。
手順③ シナリオを作成する
シナリオを作成する工程では、誰に、何を、どのように、情報を伝えて、どのような反応をするのかまでの流れを物語にしていきます。
ステップメールは、その名のとおり情報をステップごとに配信して、ユーザーの育成に寄与することと最終的に成約に結びつけることが特徴として挙げられます。つまり、ステップメールを複数回にわたり発信していくなかで、段階的にユーザーの気を惹くものにしなければなりません。
例えば、マンガコミックは1巻、2巻と次々にユーザーが興味を惹く内容でシナリオを構築していきますよね。このように、ペルソナや目的に沿ったユーザーに、的確に情報を届けるためにはシナリオの精度が求められます。
手順④ コンテンツの作成
ステップメールにおけるコンテンツの作成とは、主に文章の作成です。いかに、的確にユーザーの意図に沿ったないようであるか、また、求めているタイミングで情報を配信していかなければなりません。
コンテンツを作成するときに注意しなければならないことは、次の2点です。
- ユーザーの意図に沿った内容の情報
- 文章の構成や単語の入力ミス
コンテンツを見たユーザーの反応が、そのまま次の分析で結果として反映されますので、ここの工程も重要な指標の1つです。
手順⑤ 結果を分析する
そして、ステップメールを配信したあとに、ユーザーがどのように反応したのかを分析することも大切です。主に、次の項目の結果を分析していきます。
- ユーザーの反応
- クリック率
- 成約率
ここで得られた分析結果は、手順1のペルソナの設定に戻って結果を反映していきます。そして、手順2、手順3・・・と再び流れていく仕組みです。つまり、ステップメールで配信されたコンテンツをユーザーが閲覧して、どのように動いたのかについて分析していかなければなりません。
ステップメールの例文と構成の組み立て方は?
ステップメールを構成する手順は理解できましたよね。ここでは、実際の例文について紹介していきます。
サプリメントに関するステップメールの例文
~愛用者(40代女性)の声~
「お肉料理やラーメンが大好きで仕事帰りに外食するのですが、翌日に倦怠感や腹痛で悩まされていました。しかし、〇〇のサプリメントを1ヶ月ほど飲んでいたら、外食をした翌日も倦怠感や腹痛が明らかに軽減されました。これは、○○サプリメントを継続したことで腸内環境が改善されてきたのが・・・」
おすすめのステップメール配信ツールは?
ここでは、ステップメールの配信ツールについてみていきましょう。
ツール① b→dash
ステップメール配信ツール「b→dash」は、メール配信やデータ分析など、多彩な機能を備えたマーケティングツールです。主な特徴は次の3つです。
- メール配信
- データの一元管理
- 直感的な操作
直感的な操作でメールを配信することができ、データも一元管理できる優れものです。また、専任のサポーターによる支援もあるためおすすめです。
ツール② WiLL Mail – 株式会社サパナ
株式会社サバナの提供しているステップメール配信ツール「WiLL Mail」の特徴は、次の3つです。
- ヒートマップを採用
- 結果の分析だけでなく効果の測定もできる
- 自動化+レスポンシブデザインを採用
ASPICクラウドアワード2015で先進技術賞を受賞したことで、一気に知名度を上げました。ステップメールの作成で便利な、さまざまなツールも搭載していますのでおすすめです。
ステップメールの成功事例を紹介!
ステップメールのコンテンツ作成とシナリオの構築は、個人向けと法人向けでは配信する際に内容が異なります。それでは、ステップメールで成功するための事例についてみていきましょう。
個人向けのステップメールのシナリオ作成の事例
1通目:商品購入のサンクスメール+購入後、〇日以内限定キャンペーンを開催!さらに、人気ブランドのシャツが1枚半額割引!
2通目:今月期間限定、ベルト+シャツ+ネクタイのセット購入で、もう1品無料クーポン進呈!
3通目:王道コーデの基本とは?このアイテムがあればヘビロテ間違いなし!
法人向けのステップメールのシナリオ作成の事例
1通目:【接触】挨拶メール+お役立ちコラムの配信
2通目:【接触】セミナーのご案内
3通目:【認知】自社サービスについて+事例紹介
4通目:【検討】サービスの導入がもたらすメリット
5通目:【判断】経済条件、今導入すべき理由
→製品導入
以上のように、個人向けと法人向けでステップメールのシナリオや内容が変化します。
まとめ
最後に、ステップメールで自動配信することで業務の効率化が目指せます。ステップメールのことを知らずに、なかなか取り組むことができない企業もあることでしょう。ステップメールで自動配信するためには、あらかじめコンテンツやタイミングを設定しておかなければなりませんが、実際に活用すれば大変便利です。
これを機に、導入を検討してみてはいかがでしょうか。ステップメールを手軽に設定するための便利ツールも本記事で紹介してありますので、活用してみてください。
本記事が、メールでマーケティングを考えている方の参考になれば幸いです。
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