2019年、景気が好調と思っていた矢先、ついに投資リターンがマイナスになってしまうという大事件が発生してしまいました。
このことから投資者から苦言が強いられています。
投資リターンは、投資収益や投資収益率と呼ばれ、「リターンは○○円(○○%)」という使われ方をします。
例えば、初年度に10万円投資し、翌年に11万円になった場合、「(11-10)÷10=10%」で「1年の投資リターンは10%」となります。
投資リターンがマイナスとなったことから、2019年は景気拡大がどこまで続くか注目が集まっています。
経済界が注目!地政学の知識が景気低迷の救世主!?
2019年は、この景気好調が続くかどうかの分岐点になる可能性が高いといわれています。
現代社会は波動の時代と呼ばれ、今日覚えた知識が明日には役に立たなくなってしまうと言われていますが、決してそんなことはありません。
株式市場は企業成績の結果や期待によって動いていますし、その集合体が日経平均株価などの株価指標とされています。
また、1ドル何円という具合に、世界各国の通貨を交換する場である為替市場も同じことがいえます。
価格決定のメカニズムは、様々な諸説がありますが、基本的には社会のルールに則って取引が行われています。
例えば、金利が高い通貨で資産を運用した方が儲かるので、金利が上がりそうだったら円を売ってドルを買う人が増えます。
すると、円安ドル高になるという仕組みになっています。
いろんな思惑が飛び交う株式や為替などの金融市場では、経済やビジネスの状況、いわゆる景気の実績とは無関係に動くこともあります。
しかし、長期的には同じ方向に向いて行くとされています。
ちなみに為替は企業業績とも関係が深いです。
「為替感応度」 という、ドルやユーロなどに対して1円の円安円高になったときに、売上高や利益がどれだけ影響を受けるかという指標があります。
しかし、このような世界背景の中に、どのような経済の流れが働いているのかわかればビジネスの見通しが立つため、多くの日本企業が海外でビジネスを展開している今、政治的な現象とそれが生じた地理的条件との関係を研究する学問である地政学は必須知識といえます。
経済を立て直す!デフレ脱却の道筋とは!?
景気を動かす政策は大きく分けて二つあります。
政府が行う財政政策と中央銀行である日本銀行が行う金融政策です。
景気が悪くなれば、公共工事や減税など、政府が国の予算を使って世界のお金の回りを良くします。
一方、日銀は金融政策を変更して、金利を下げたり金融市場を通してお金を供給したりします。
特に、最近は物やサービスの価格が下がる現象である「デフレ」を日本経済の宿敵と見据えて、政府と日銀が一丸となって回復への対策に挑んでいます。
これらの政治的な動きは、投資やビジネス、経済にも大きく影響を与えます。
過去に、リーマンショックによって金融危機に陥った経緯がありますが、結果的に、政策金利を引き下げて世の中のお金の回りを良くした伝統的金融政策で、社会情勢も回復の兆しを見せることができました。
そして、世界の主要中央銀行であるFRB(米連邦準備制度理事会)とECB(欧州中央銀行)、そして、日銀 が協力した量的金融緩和策によってリーマンショックから立ち直ることができました。
これは、銀行から国債を大量に買い取って、それと引き換えに、銀行に多額のお金を行き渡らせることで世の中のお金の回りを良くして景気の流れを変えたのです。
しかし、2019年の今、このような伝統的金融政策や量的金融緩和策は通用しないといわれています。
特に、今回のデフレは、なかなか回復の兆しを見せません。
日本経済は、いよいよ「デフレ」というさらなる強敵に立ち向かうことになります。
モノやサービスの価格が下がり続けるデフレ、日本はどのようにして脱却するのでしょうか。
消費者にとって価格の下落は嬉しいことですが、回りまわって給料が減り、人々がお金を使うのを控えるようになると、企業は更に価格を下げてサービスを提供するという悪循環に陥ってしまいます。
経済が停滞していく恐ろしさがありますが、リーマンショックがビルをなぎ倒す大怪獣だとしたら、デフレは地味だけど取り付くと経済の活力を奪っていく寄生虫みたいなものといえます。
このような、デフレという更なる強敵を倒すために、日銀も新たな対策を発表しました。
2013年4月に導入した量的・質的金融緩和策です。いわゆる黒田バズーカ(もしくは異次元緩和とも呼ばれています)。
何が異次元かと言いますと、例えば、日銀の賃借対照表で、2013年4月から急に国債の発行が増えています。
これは、大規模な量的緩和策によるものです。
その結果、日銀の供給資金は2013年3月の138円から2018年11月には560円まで急増しました。
このようにして、大量のお金を世の中に供給したのです。
そこに、質的金融緩和策という新しい政策を合体させました。
日銀が買い取る資産に、さらに幅を持たせるという政策です。
国債では、短期よりも長期にウエイトを置くため、ETF(指数連動型上場投資信託)やJ-R E I T(不動産投資信託)など、国債よりも価格の上下変動幅が大きいリスク性資産の買い取り額を増やしました。
このようにして、景気より刺激することに狙いを定めました。
また、日銀は日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)という、株価指標と値動きが連動するETFを購入しています。
そのため、日銀が個別企業の株を買っているわけではないのですが、その企業の実質を株主になってしまっているという事例がいくつも発生しています。
ところが、そこまで行ってもデフレから脱却することはできていません。
量的・質的緩和策をもってしても、デフレに対する有効な手段とその効果が見られていないというのが現状です。
そして、いよいよ次に打つ手がなくなってしまいました。
まとめ
最後に、日銀はこのような緩和策を出しっぱなしでとうとう5年半が過ぎてしまいました。
今後は、それらの政策がどのように影響していくのか、日本経済の行く末に注目です。
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