本記事は、家庭教師歴4年の渋谷知里(しぶやちさと)氏監修のもと、情報をまとめています。
渋谷知里(しぶやちさと)氏の経歴、およびオンライン家庭教師についての全容は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

はじめに|オンライン家庭教師としての教え方について
オンライン家庭教師の教え方について、このような悩みを抱えている方もいることでしょう。
「オンライン家庭教師としての教え方が分からない」
「生徒に教えるコツが知りたい」
オンライン家庭教師としての教え方のポイントは、生徒や保護者に寄り添うことです。
本記事では、オンライン家庭教師の教え方について解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
オンライン家庭教師の仕事内容とは?
「オンライン家庭教師」は、生徒の家庭に訪問して個別授業を行う一般的な「家庭教師」とちがい、スカイプやZOOMなどインターネット上のテレビ電話を用いて生徒にマンツーマンの学習指導を行う仕事です。
録画された授業を見て学ぶ「映像授業」のような一方通行な授業ではないため、生徒一人ひとりの学習計画や学習法の提案、宿題の確認などもサポートしてあげることが大切になります。
また、生徒のレベルに合わせた個別指導はもちろん、勉強する習慣を身につけるための学習管理や進路相談に乗ることなども必要です。オンライン家庭教師の先生は受験経験者なので、ご自身の経験を踏まえて受験生の心理に寄り添い、アドバイスをしてあげましょう。
オンライン家庭教師の仕事内容についての詳細は、こちらの記事で解説しています。

教え方を理解する前に!オンライン家庭教師としての3つの心構えとは?
教え方を紹介する前に「オンライン家庭教師としての3つの心構え」を解説します。正しい心構えを持って教えることで、生徒とより良い信頼関係を築くことができますよ。
生徒の長所を活かす教育を心掛ける
1つ目は「生徒の長所を活かす教育」を心掛けることです。オンライン指導を進めていくなかで、生徒に対してついイライラしてしまう場面があります。
先生も生徒も人間なので「どうしてこれが理解できないのだろう」「生徒と合わない」などは仕方がないことです。
しかし、このような感情は生徒に敏感に伝わってしまうため、生徒の長所を3つほど見つけて心の中で長所をつぶやくようにしてみましょう。
そうすることで自然と苦手意識が薄くなり、生徒にも伝わって良い関係が築けるようになります。
自己満足で教育しない
2つ目は「自己満足で教育しないこと」を心掛けましょう。オンライン家庭教師の先生に求めるものは「生徒の成長」であり、生徒から尊敬されることではありません。
生徒から答えられない質問をされたときは、曖昧ににごすのではなく、素直に「分からない」と答えましょう。
ごまかさずに素直に答えることで、生徒から信頼されることもあります。「生徒から尊敬されたい」などの自己満足(プライド)が指導の障害になることもあるため、きっぱりと捨てる覚悟が必要です。
生徒の潜在能力を引き出す
最後は「生徒の潜在能力を引き出すこと」を心掛けましょう。教えるとは、生徒を先生のレベルまで引き上げることではありません。
「新しい個性を開花させるためのお手伝いをしている」ようなイメージを持ちましょう。そのため、生徒に自分が歩んできた道のとおりに進ませるのではなく、生徒が自分の道を切り開きながら歩くのを支えていくことが大切です。
生徒が自分から勉強を始めたら、あなたから見て効率が悪いと感じても、そっと見守ってあげましょう。生徒は、あなたの予想をはるかに超えるスピードで成長していきますよ。
生徒の成績を伸ばす!オンライン家庭教師の教え方の10のコツとは?
ここからは、生徒の成績を伸ばすための「オンライン家庭教師の教え方のコツ」を10個紹介します。
「教える」とは「身につく」ようにしてあげることなので、先生がいなくても生徒が一人で勉強できるようにサポートしてあげることが大切です。
「説明する」だけの一方的な指導ではなく、きちんと生徒に伝わったかを確認する教え方をマスターしましょう。
勉強を理解できているかを把握する
勉強を教える際は、生徒が「理解できているかどうか」を把握するようにしましょう。分かりにくい教え方をする先生は「自分が話していることが、生徒に伝わっていないかもしれない」という想像力が欠けています。
自分が理解していることを普通に説明すれば、生徒にも伝わると考えがちですが、生徒も必ず同じように理解できているとは限りません。さらに、なにか一つでも理解できないことがあれば、全体がわからなくなってしまうことも考えられますね。
そのため、学習指導をするときは「今の説明で分かったかな?」という意識を持ちながら教えることが大切です。
生徒の最終目標を共有する
教えるときは、生徒の最終目標を示してあげましょう。例えば宿題を出すときに「この問題集をどんどん進めていこう!」ではなく「問題集を10ページまでやろう!」というように具体的に説明することがポイントです。
このように「ここまで進もう!」という明確な最終目標(ゴール)を示すことで「あと半分だ!がんばるぞ!」という次に進む元気が出るようになります。
短期目標を設定する
受験生の目標は志望校に合格することですが、志望校に合格するまでの道のりは急斜面を登るのようなものです。
坂道を一気に登り切ることはむずかしいため、生徒が到達できるレベルの短期目標を設定してあげましょう。
このとき、それぞれの部分目標ごとに理解度を確認してアドバイスし、繰り返し練習をさせることがポイントです。
高すぎる山では、一人で登ることはむずかしいですね。そのため、オンライン家庭教師の先生であるあなたが分岐点を示してサポートすることで、生徒は一人で登れるようになります。
長期目標を設定する
生徒が、中学・高校・大学で「何をしたいか」を明確にしましょう。将来の目標や理想像を決める方法もおすすめです。
長い目で見たときに夢や目標は大切になるため、「自分がやりたいこと」を早めに見つけておくことがポイントです。
成績の停滞期は無理をしない
学力は、はじめのうちはあまり成果が出ませんが、のちに一気に上昇するものです。英語を例にすると、最初はたくさん単語を覚えても成果がありませんが、コツコツと覚えていくことで単語につながりが見えて、文章を理解できるようになります。
このことを生徒に教えておくことで、努力をしても成果が出ない時期(停滞期)も「やがて伸びる」と信じて乗り越えられるようになります。
今の苦しみしか見えず生徒が挫折してしまわないように、大局観をもたせるようにしましょう。
やがて訪れる「大きな喜び」まで指導してあげることが、オンライン家庭教師としての大切な仕事です。
前回の授業の復習を行う
先述のとおり「教える」とは「身につく」ようにしてあげることです。そのためには反復して教える方法が有効的です。
一般的に「覚えた知識を2週間に3回つかうと、記憶として定着しやすい」とされているため、前回の授業の復習を行い、記憶を定着させましょう。
ときには叱って気を引き締める
ときには叱って、生徒の気を引き締めることも大切です。このとき「だから君はダメなんだ!」と感情のままに叱るのではなく、どうしてできなかったのかを聞いてあげましょう。
具体的には「できなかったのは仕方がないけれど…」と前置きをしてあげたり、「もう一度説明するけれど、次からは先生の話をよく聞こうね」などがおすすめです。
オンライン家庭教師であるあなたがするべきことは「生徒の成長を願って叱ること」です。「こうすればもっと良くなるよ」といった教え方やアドバイスをしてあげましょう。
生徒の「分かった」を疑う
生徒はときに「分かったふり」をしてしまうことがあります。
小学校低学年のうちは納得しないと次に進めなかった子でも、年齢が上がるにつれて次に進むため又は与えられた量をこなすためにしてしまいがちな行動です。
そのため「理解→納得→実践→確認」のステップをしっかり踏むように導いてあげましょう。
授業風景を映しながら授業を進める
学校や塾の授業のような授業スタイルを、ビデオ通話で話しながら行う方法があります。オンライン家庭教師が黒板やホワイトボードに書き込んでいる風景をビデオに映し、授業を進めます。
やや広範囲を撮影することになるため、黒板の字が見えにくい・声が聞こえにくいことはないかなどを確認して、授業を始めるようにしましょう。
生徒とオンラインで画面を共有する
生徒とオンライン家庭教師が、同じ画面を共有しながら授業をすすめるスタイルです。先生が画面上に書いている内容を、生徒がリアルタイムで確認することができます。
生徒にとって集中しやすく、わかりやすいというメリットがあり、なかには対面授業よりも分かりやすいという声もあります。
お互いの顔を見ながら授業を進めていくこともできますが、黒板やホワイトボードのみを写す方が授業内容に集中しやすいです。
オンライン家庭教師のダメな教え方を5つ紹介!
ここからは、オンライン家庭教師の「ダメな教え方」について5つ紹介します。無意識のうちにしてしまいがちな項目もあるため、事前にチェックしましょう。
オンライン家庭教師としての接し方について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

講師の意見を押し付けてしまう
先生から生徒に、一方的に知識や意見を伝えるだけではいけません。なぜなら生徒が完全に受け身体制では、効果的に教えることができないだけでなく、良い関係を築くこともむずかしいからです。
ときには生徒に質問を投げかけたり考えさせたりして、生徒の理解度を確認しましょう。「教える」とは先生がボールを投げて(説明をして)、生徒が返す(理解する)というキャッチボールのようなものです。
自分が投げたボールに無関心でいることは、やめましょう。
熱意の感じられない教育
オンライン家庭教師の先生が教えることに「熱意」を持っていなければ、生徒の学習意欲を高めることはむずかしいといえます。
「この先生、やる気がないな」というのは、生徒にも伝わります。同じように、教えることに自信がない先生からも、熱意を感じることができません。
このような場合、生徒の理解力を下げてしまう要因になるため、熱意を持って指導しましょう。
問題が解けても褒めない
生徒が子どもの場合、先生に褒められることで学習意欲が高まります。もちろん、なかには「叱って伸ばす」べき生徒もいますが、叱ることによって生徒が萎縮してしまい、かえって学習効果を落としてしまうことがあります。
宿題をしないなど叱るべきところでは叱る必要がありますが、全く褒めないような教え方はやめるようにしましょう。
生徒が嫌がる言葉遣い
生徒が自信をなくしてしまうような発言は避けましょう。例えば「バカ」「頭悪いな」「小学生でも分かるのに」「どうしてこんな簡単な問題も分からないの?」などの言葉は生徒の人格を否定してしまう言葉ですね。
また、生徒のやる気を削ぐだけでなく、生徒との関係を悪化させてしまう要因にもなるため、言葉遣いには気をつけましょう。
理解度よりも時間を優先して詰め込みすぎる
食べ過ぎは消化不良を起こすように、知識の詰め込みすぎも良いことではありません。
生徒の理解度に合わせて教える内容を細かく分けて、一つずつクリアできるようにしてあげましょう。
さいごに|オンライン家庭教師の教え方のコツを理解すれば立派な教育者!
オンラインの教え方のコツをしっかりと理解できれば、十分立派な教育者です。
本記事が、オンライン家庭教師の教え方について知りたい方の参考になれば幸いです。
オンライン家庭教師として在宅でアルバイトしたい方必見。こちらの記事で、詳しく解説しています。

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