本記事は、家庭教師歴4年の渋谷知里(しぶやちさと)氏監修のもと、情報をまとめています。
渋谷知里(しぶやちさと)氏の経歴、およびオンライン家庭教師についての全容は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

はじめに|オンライン家庭教師の市場について
オンライン家庭教師の市場について、このような悩みを抱えている方もいることでしょう。

最近は、コロナの影響でオンライン化が進められているけど、実際どうなんだろう?

オンライン家庭教師の需要は、今後も高まっていくの?

市場規模はどのように推移しているの?
2020年以降は新型コロナウィルス感染症の影響もあり、あらゆる事業でオンライン化が取り入れられてきていますが、それは家庭教師・個別指導業界にも当てはまります。
とはいえ、ここだけの話、家庭教師に関してはコロナ禍以前から市場規模が右肩上がりとなっているのです。
結論からいえば、オンライン家庭教師の市場は2028年までに、最高のCAGR(年平均成長率)を記録するといわれています。
本記事では、オンライン家庭教師の市場をテーマに解説していきます。また、オンライン家庭教師業界への中小企業の参入は可能であり、むしろチャンスだという理由についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
【2021年度】オンライン家庭教師の市場規模とは?動向やシェア率について解説!
ここでは、オンライン家庭教師の市場規模について解説しています。
オンライン家庭教師の市場が2027年までにCAGR「16.1%」の成長予測!
2021年5月28日に、アメリカの情報機関「REPORTOCEAN」がオンライン家庭教師のCAGR(年平均成長率)について、衝撃的な事実を公開しました。
2020年以前からオンライン家庭教師の市場規模が拡大傾向にありますが、2020年~2027年の間でCAGR(年平均成長率)が「16.1%」を達成すると予測されているというのです。
オンライン家庭教師サービスの世界市場は、2019年時点で約48億1,000万米ドル(日本円:約5,302億円「2021年6月20日為替」)でした。しかし、世界的な新型コロナウィルス感染症のパンデミックをきっかけに、2020年~2027年で16.1%以上のCAGR(年平均成長率)が見込まれています。
その背景には、アジア圏の教育プロジェクトの始動やインドの教育開発などが挙げられます。
【2021年版】最新情報!オンライン家庭教師の市場規模
結論からいえば、オンライン家庭教師の市場は年々拡大してきています。
株式会社矢野経済研究所の「eラーニング市場に関する調査」によると、日本における2020年度のeラーニング市場規模は、前年度比22.4%増(2019年の市場規模は2,354億円)の2,880億5,000万円。なかでも、オンライン家庭教師を含むBtoC市場は、2,035億円が見込まれていました。
そして、2021年度のeラーニング市場は、前年度比8.5%増の3,126億円と予測されており、これまでの伸びがそのまま継続すると考えられています。
そもそもオンライン家庭教師とは、教育業界のなかでも個別指導型を取り入れているもので、さらにオンラインを主軸とした教育産業のこと。つまり、下記の2つの需要が伸びていることが背景にあります。
- 個別指導への需要
- オンラインへの需要
これらのことから、オンライン家庭教師の市場は、今後も拡大していく産業といえます。
ここからは、2021年6月時点の現状を踏まえた話をします。
まず、「個別指導への需要」は確実に伸びているといっても過言ではありません。
日本では近年少子化が急速に進んでおり、2013年以降は1人あたりの子供に対する教育費の負担が大きくなっている家庭が増えています。それにより、オーダーメイドな教育を可能とする個別指導は近年になって注目されるようになりました。
また、「オンラインへの需要」は、ここ数年で急速に増加しました。
以前からオンライン化の重要性はあらゆる産業で注目を浴びていましたが、ここ最近はコロナ禍の影響でそれが必然性を帯びてきました。
このご時世、オンライン化は基本になりつつあるというわけです。
以上を踏まえると、オンライン家庭教師の需要が伸びる要素は揃っており、市場としては実際に伸びているというのが現状になります。
オンライン家庭教師の動向
オンライン家庭教師の市場は、今後も拡大していくことが予想されます。
2021年度のeラーニング市場は、前年度比8.5%増の3,126億円と予測されており、これまでの伸びがそのまま継続することは前述しました。
また、2020年度以前も、安定的に市場が拡大していたことから、コロナ禍による追い風もあって伸びに拍車がかかると予想できます。
というのも、近年は共働きをする親が増加している影響で、「子供の家庭学習が難しい」とする意見が増えてきているのも大きな要因の1つです。
そのため、自分で子供の学習状況・成績状況の分析をすることが困難になり、各々の子供に合わせた学習方法を提案できる個別指導の需要が伸びています。
また、2020年以降のコロナ禍の影響から、教室を使った集団授業の需要は下がり、オンライン環境にも適応できる個別指導(特に家庭教師)の需要は高まりをみせています。
今後は、新型コロナウィルス感染症が収束としても、オンライン化の動きは継続していくと予測されており、より一層のオンライン化への対応が求められているのが現状です。
オンライン家庭教師のシェア率
2021年現在、オンライン家庭教師のシェア率は拡大しています。
世界のオンライン家庭教師の市場規模は、2019〜2020年で16.1%の成長を見せており、確実にオンライン家庭教師のシェア率は拡大していることが確認できます。
また、EdTech(教育「Education」×テクノロジー「Technology」を組み合わせた造語)も普及しています。
例えば、人気講師の授業をいつでも自由に受講できるアプリ「スタディサプリ」や、学習管理を目的としたSNS「スタディプラス」なども非常に人気となっています。2021年の春ドラマ「ドラゴン桜」でも実際に取り扱われていたことから、知っている方もいることでしょう。
筆者自身もこれらのアプリはどちらも使用していた経験があり、実際に中学高校でも話題になるものになっていました。
EdTechの普及により、この流れに柔軟に対応することが可能なオンライン家庭教師の需要はさらに伸びていき、市場も拡大していくと予想できます。
コロナ禍以降も、オンライン家庭教師はその利便性からも、市場をより拡大させていくと考えられているのです。
タイプ別!オンライン家庭教師の市場規模予測について徹底考察!
ここでは、オンライン家庭教師の市場規模をタイプ別に予測していきます。
- 個別指導型の市場規模
- 集団指導型の市場規模
それでは、詳しくみていきましょう。
個別指導型の市場規模予測
個別指導型学習塾の市場は、今後も安定して伸びていくことが予想されています。
コロナ禍以前のデータですが、2009年はシェア率が31.0%でした。しかし、2013年で33.4%に上昇。そして、2017年には37.0%まで成長しています。
コロナ以前の段階でも需要伸ばしていたため、コロナ禍によりさまざまな事業でオンライン化が求められるようになった現在では、その需要は急速に伸びているのは明らかです。
また、オンライン教育に対する利便性は多くの人に認識されるようになったため、需要だけでなく市場はさらに伸び続けることになります。
今後も、個別指導型は確実に市場を伸ばしていくでしょう。
集団指導型の市場規模予測
一方で、集団指導型学習塾の市場は縮小していくことが予想されています。
コロナ以前のデータでは、2009年に69.0%のシェア率を誇っていました。しかし、2013年には66.6%。2017年では63.0%にまで落ち込んでいます。
コロナ禍によって、教室で行われる集団授業が中止に追い込まれるなか、集団授業を強みとしていた予備校・学習塾は大きな停滞をみせています。
アフターコロナにおいても、オンライン教育が持つ利便性ゆえ、集団授業を行う学習塾の需要は今後も低下していくことが予想されます。
今後、教育事業に参入するのであれば、できるだけオンラインに対応しやすい教育方式を取り入れていくのがよいでしょう。
中小企業でもオンライン家庭教師業界に参入できる!
結論からいえば、2021年現在、中小企業にとってオンライン家庭教師業界はチャンスです。
その理由は、オンライン家庭教師業界がニッチな隙間産業のため。2021年以前、一般的な大手学習塾は集団授業をメインとしており、個別指導はあくまでサブ的な位置づけとしていました。
というのも、大手塾は高額な費用を集める必要があるからです。
大手学習塾は教室や自習室などを多く抱えており、人気講師を抱えている場合も多く、その維持費・人件費が高額になります。そのため、安定的に大きな売り上げを上げていることが求められます。
そんな大手にピッタリのビジネスが集団授業で、この戦略を使えば1度に多くの生徒を集めて授業ができるため、短期的な売り上げを伸ばすことが可能になるのです。
そのため、多くの大手学習塾では集団授業戦略が採用されており、工数がかかってしまう個別指導戦略はどうしても非効率となり採用されにくくなっているのです。
最近では、ユーザーのニーズに合わせてマンツーマン授業を取り入れる大手も存在しますが、あくまでもメインサービスの集団授業の補助サービスと考えている企業がほとんどです。
2021年以降はコロナ禍の影響で急遽にオンライン化が求められていますが、オフラインの集団授業のシステムが完成されている大手塾は、急な方向転換ができず苦境に立たされています。
つまり、大手学習塾はコロナ禍による方針転換に、時間がかかっているということです。
これは、教育業界に限らず、会社の規模が大きいと事業は大きくしやすいのですが、社会情勢に合わせた柔軟なビジネスモデルの転換が難しくなるものなのです。
さらに、集団授業をメインとする大手は、個別指導を求める顧客のニーズとどうしてもズレを生んでしまします。このように考えると、オンライン家庭教師をメインに取り組む大手企業がほとんど存在しない今、この業界は隙間産業となっていることが理解できます。
すなわち、オンライン家庭教師は中小企業にとって、大手から流れてくるユーザーを獲得するのにピッタリの業界となっているのです。
さいごに|オンライン家庭教師の市場規模は今後も拡大する!
今回は、オンライン家庭教師の市場をテーマに解説してきました。
日本では少子化が進行しているため、教育業界は伸びにくいと認識されがち。しかし、実際に調査してみると、子供1人あたりの教育費は増加しているため、全体として教育業界の売り上げが伸びているということが分かります。
なかでも、オンライン家庭教師の市場規模は拡大することは明らかで、世界的にも注目が集まっています。
EdTechも以前より格段に普及してきているため、今後もオンラインでできる教育の需要は右肩上がりになっていくと予測できます。
最後に、本記事の内容をまとめます。
- 2028年までに最高のCAGRを記録する
- オンライン家庭教師の市場は以前から伸びていた
- オンライン家庭教師業界はコロナによる追い風を受けている
- テクノロジーを使った教育EdTechが急速に普及
- 中小企業でも隙間産業のオンライン家庭教師なら参入チャンスがある
オンライン家庭教師は、このコロナによる影響を受けて成長している業界で、今後は非常に有利な立ち位置になることが予想できます。
本記事が、オンライン家庭教師の市場について知りたい方の参考になれば幸いです。
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