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新型コロナウィルスのワクチンは?治療法や治療薬の開発の今を解説!

新型コロナウィルスのワクチンは?治療法や治療薬の開発の今を解説! 愛Tソリューション|暮らしの『気になる』を解説します

新型コロナウィルス(COVID-19)によるパンテミックを受けて、予防や治療のためのワクチン・治療薬の開発プロジェクトが各国各企業で強力に進められています。しかし、現状は、いずれのプロジェクトも、「治療効果があるのか」、「安全性についても問題がないか」を検証するための臨床試験を進めている段階で、ワクチンや治療法はまだ完成しているとは言えません。ここでは、新型コロナウィルスのワクチン開発の今について詳しく解説していきます。

本記事は、日頃から医療と薬理分野でアドバイスをいただいている「畠 修一」様より監修いただいております。また、新型コロナウィルスに関する最新情報を公開しています。記事の更新履歴は最下部をご覧ください。

新型コロナウィルスのワクチンは?治療法や治療薬の開発の今を解説!

新型コロナウィルスのワクチンは?治療法や治療薬の開発の今を解説!

新型コロナウィルスワクチンは、現時点では検証の段階で、まだ完成していません。それでは、いつ完成するのでしょうか。現状では、2020年度内を目安に開発が進められているところです。そもそも、なぜワクチンが必要なのでしょうか。

新型コロナウィルス(COVID-19)のワクチンはなぜ必要なの?

ワクチン感染を予防するために強力なツールになりますが、新型コロナウィルス(COVID-19)についても開発が進んでいます。ところで、回復期血しょう療法という、感染症から回復した人の血液の成分の一部を、その感染症で苦しんでいる患者さんに投与する方法があります。

米国FDAは、進行中の新型コロナウィルス(COVID-19)パンデミックに対し、患者の生命が緊急かつ深刻な危機にさらされている場合に限ってこの療法を許可することにしました。回復期血しょうには、病原体に対する抗体が大量に含まれるため、回復期血しょう療法は、重とくな患者に対して適用する最終療法となります。中国、米国では、すでに、小規模ではあるものの新型コロナウィルス(COVID-19)の重とくな患者で良好な結果を得ています。

ワクチンとは無毒化した病原体あるいはその一部であり、これを接種することで、体内で抗体を作らせ病気に対する抵抗力(免疫力)を高めるものですが、小規模ながら回復期血しょう療法でしめされた結果は、今後、開発されるワクチンは、新型コロナウィルス(COVID-19)に対して有効な防御手段に使える可能性が高いことを示しています。

新型コロナウィルス(COVID-19)のワクチンの開発状況は?種類や効果も紹介!

世界中の政府機関や会社がワクチンの開発に取り組んでいます。ワクチンとしては、不活性ウィルス型、変性ウィルス型、サブユニット型、ウィルスベクター型、DNAワクチン、mRNAワクチンなどがあります。また、ワクチンそのものではなく免疫効果を高めるためのアジュバント技術の提供を通じて協力する会社もあります。

不活性ウィルス型ワクチン

患者から分離した病原体を培養で増やし、その病原体を紫外線やホルアルデヒドなどで不活性化して作成するワクチンです。 製造が容易で、安全、高力価の毒性中和抗体を得ることができますが、特殊な療法をしているなどで高度に免疫抑制している患者には、不適切な適応となる可能性があります。

変性ウィルス型ワクチン

変性ウィルス型ワクチンは、病原性の弱まったウィルス株を注意深く選択してワクチンとするものです。迅速な開発が可能で、高い免疫応答が期待できる反面、表現形あるいは遺伝形が復帰する可能性や病気を発生させてしまう危険性があります。新型コロナウィルス(COVID-19)では、植物由来ウィルス様粒子の開発が進んでいます。

タンパク質サブユニット型ワクチン

病原体の一部となるタンパク質のサブユニットを利用するワクチンになります。新型コロナウィルス(COVID-19)では、表面に露出しているスパイク糖タンパク質、毒性を中和する抗体の主要な導入因子であるSタンパク質が候補となります。安全性が高く、安定した生産が見込め、免疫応答も見込め、高力価の毒性中和抗体を得られます。コストが高く、免疫原性の低下、反復投与とアジュバントが必要です。

ウィルスベクター型ワクチン

弱毒性のウィルスをベクターに用いた病気の抗原遺伝子を投与することで免疫を惹起することを狙うワクチンです。ウィルスベクターを用いることで、効率的に樹状細胞などに遺伝子を導入したり、蛋白発現したりできるメリットがあります。ウィルスベクターに用いられるウィルスの種類にはアデノウィルスの他、レトロウィルス、レンチウィルスなどがあります。新型コロナウィルス(COVID-19)では、センダイウィルスベクターを用いたワクチンの開発があります。

DNAワクチン

病原体を構成する成分の設計図であるDNAをワクチンにしたもので、遺伝子ワクチンとも呼ばれます。筋肉内に投与すると、DNAの指示にしたがって病原体の一部であるタンパク質を合成し、そのタンパク質に対する免疫が作成され疾患の治療に寄与します。デザインが容易で、高い安全性、高力価毒性中和抗体を得ることができます。ヒトにおける低い免疫応答、繰り返し投与によって毒性がでる可能性があります。新型コロナウィルス(COVID-19)では、INO-4800の開発が進んでいます。

mRNAワクチン

病原体を構成するタンパク質を作りだす設計図となるメッセンジャーRNA(mRNA)をワクチンにしたものです。デザインが容易で、高い適応性、強力な免疫応答を誘導します。ただし、生理学的な条件下でかなり不安定です。新型コロナウィルス(COVID-19)では、mRNA-1273、BNT162の開発が進んでいます。

アジュバント技術

ワクチンと一緒に投与して、その免疫原性を高めるために使用される物質のことです。あくまでもワクチンの効き目を高めるためのものなので、アジュバントだけを投与してもワクチン効果は得られません。抗原の一部の成分を精製して接種するワクチンは一般的に効き目が弱いのでアジュバントの添加が必要です。英グラクソ・スミスクラインは、新型コロナウィルス(COVID-19)ワクチン用のアジュバント技術を提供しています。

開発中の新型コロナウィルス(COVID-19)の治療薬とは?

治療薬としては、レムデシビル、アビガン、オルベスコ、カレトラなどが新型コロナウィルス(COVID-19)治療薬の候補となります。中でも、富士フイルム富山化学の「アビガン」は、臨床研究で良好な結果を得ていて、ウィルス消失時間の短縮を認めています。

さいごに

2020年4月19時時点での新型コロナウィルスのワクチン開発状況は、「治療効果があるのか」、「安全性についても問題がないか」を検証するための臨床試験を進めている段階であり、新型コロナウィルスのワクチンや治療法はまだ完成しているとは言えません。

いつ完成するのか、具体的な目処はたっていませんが、2020年度内に完成できるように開発が進められています。現時点では、とにかく感染予防につとめ、こまめな手洗い、咳エチケットを丁寧におこない、新型コロナウィルスにかからないようするのが一番です。

畠 修一 監修
畠修一  
生年月日:1959年3月6日生
プロフィール:医療と薬理学の権威。1984年に医薬品、食品添加物、健康食品の素材を製造する会社に入社し、約30年近く開発部門で素材開発に関わる。その間、オリーブ葉エキス、イソフラボン、ルイボスエキスなどの開発を手がけてきた。また、「機能性表示食品」制度のもととなったモデル事業に関わり、イチョウ葉エキス、ビルベリーエキス、魚油に代表されるn-3系脂肪酸のシステマティック・レビューの作成を担当した。

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